「ペナン日本人学校のバハサ集会」 岡山県立岡山西養護学校教諭 山本 敏樹
 平成13年度ペナン日本人学校では,マレーシアという多文化社会を味わい,知り,良さを感じていく活動のひとつとして,『バハサ集会』を定期的に実施していくことになりました。『バハサ(Bahasa)』とはマレー語で「言語」とか「国語」という意味あいがあります。小学部の各学年がホスト学年となって毎月1回集会を開き,マレーシアの言葉や歌をみんなに紹介していきました。
 

5月は2年生がホスト学年となり,マレー語での簡単な挨拶などを紹介しました。マレー語で書かれた大きなカードを掲げて,体を使って元気いっぱいの発表でした。ペナンで生まれ育ったローカルスタッフに手伝ってもらい,発音もしっかりと練習できました。その集会のあと,先生から叱られた2年生が,「Minta maaf (ごめんなさい)」と習ったばかりのマレー語であやまったというエピソードもあったようです。このとき使ったカードは,その後も校内にしばらく掲示し,学校を訪れる人々にも楽しんでいただきました。

6月は3年生がホスト学年として活躍しました。2年生の時に音楽で習った「みんなで1・2・3」という歌をマレー語や中国語を交えて歌いました。毎回,ローカルスタッフの協力を得て発音を習うのですが,今回は中国系のスタッフにお願いして,北京語と福建語の「1・2・3」を教えていただきました。この集会の進行や運営は,総合的な学習の題材の一つにもなっていたので,世界各国の数の数え方の発表があったり,カラフルでわかりやすいカードが作られていたりしたのが特徴的でした。

7月は1年生がホスト学年に挑戦しました。「世界の遊び」をテーマにして,総合的な学習に取り組んでいる1年生は,「世界のじゃんけん」をみんなに紹介しました。マレーシアにもじゃんけんがあり、日本のグー・チョキ・パーにあたるのが,石を意味する「BATU」,鳥を意味する「BURUNG」,水を意味する「AIR」だということでした。掛け声は「ONE TWO ZOM」を使うことや,あいこの時も同じかけ声で続けることまでよく調べてありました。他にも英語や中国語,さらには,スペイン出身のローカルスタッフから習ったスペイン流のじゃんけんを紹介する子どももおり,実にグローバルな集会となりました。

2学期以降も4年生・5年生・6年生が,それぞれ工夫を凝らした集会を作り上げ,マレーシアのことをみんなに紹介していきました。